花の雨、風光る〜日本文化と日常と

”わ”を広げるプロフェッショナル、はたなみのブログ。わ(私)の心と向き合い、和を発信し、輪を広げる。心の赴くままに好きなものを綴ります。

お雛様の由来と雅叙園・百段雛まつり!〜由来編

本日3月3日は「ひな祭り」!

皆さんのおうちでもひな人形を飾っているのでしょうか。

我が家のひな人形の写真も昨日届きました。

毎年飾ってくれる母に感謝!

 

さて、雛人形といえば古くから嫁入り道具として大切にされ、

今でも出さなかったり、しまい忘れると「お嫁に行くのが遅れる~💦」なんて言ったりしますよね。

こんな風にしっかりお人形を飾るようになったのは江戸時代からって知ってました?

 

今回はそのお話とちょうど「百段雛まつり2019」に出かけてきたのでそのご紹介!

〇百段雛まつり2019(2019/1/18~3/10)

↓↓百段ひな祭り概要(雅叙園Webページ)↓↓

https://www.hotelgajoen-tokyo.com/event/hinamatsuri2019

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さて、まずはひな祭りの由来。

 

〇ひな祭り・ひな人形って?

ひな祭り・ひな人形の歴史を語る上でのキーワードは3つ!

 

①上巳の節句

②ひいな(ひひな)遊び

徳川幕府

 

①上巳の節句

旧暦3月3日(今の4月上旬)に行われた行事。

上巳は、3月「上」旬の「巳」の日という意味。

もともとは中国の行事でこんな変遷を遂げます。

 

中国:罪穢れを取り除くため、水辺で禊やお祓いをする日

日本(奈良時代):

曲水の宴。

流れてくる杯が自分の前を通り過ぎる前に和歌を詠んで杯をいただくという風流にもほどがある行事。

日本 (平安時代):

気付いちゃった人「いやいや、ちょっと待って。だいぶ中国と違わない!?もー、ちゃんとやってよ!!」

貴族「風情のない奴じゃのう………じゃあせめてなんか流すのだけとっとこ?」

水辺での禊や祓い+人形(形代(かたしろ))に自分の汚れを移し、水に流す行事に。

 

と会話はさておき、なぜか曲水の宴をはさんでの人形流し。

これが日本での上巳の節句です。

こんなイメージかな?

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写真:川越氷川神社の形代流し(右下に形代が流れてます!)

 

②ひいな(ひひな)遊び

平安時代の貴族の女の子の人形遊び。

紙などでできた「男女一対」のお人形で、身の回りの物を模した玩具で遊ぶという。

あれですね、リカちゃん人形。

ちなみに彼女もこの遊びについて例の日記で語ってます。

 

清少納言「ひな人形の道具たち超かわいいー!!!」(from『枕草子』)

 

わかる。ミニチュアめっちゃ可愛いよね。

 

徳川幕府

彼らがある日宣言します。

 

徳川幕府「今日から上巳を含む五節句は年中行事とします!江戸にいる大名は上様に会いに来るように!」

 

あれです。この日には社長のありがたーいお話があるから本社勤務のやつは全員集合!みたいなやつ。

(グループ会社も含めた全員参加の行事はまた別にあります。)

 

これで上巳の節句武家・庶民とどんどん定着していきます。

そして上巳とひいな遊びが完全に合体。

ひな人形を飾り、女児の成長を祝う行事として定着していきます。

 

はじめは紙雛や立雛といわれるものでしたが、その人形がどんどん進化し、今のようなきらびやかなお人形に。

 


特に享保時代からは享保雛と呼ばれる人形が流行り、その後は京都の岡田次郎左衛門や江戸十軒店の原舟月など名だたる人形作家たちがブランド雛を作り上げていきます。

また、江戸時代中期からは段飾りのひな人形も増えていきました。

 

〇その他のあれこれ

・十軒店の雛市

日本橋にある店通り。

本石町の両側に仮設の小屋掛けの店が10軒ほど並んでいたからこの名前。

江戸時代のお雛様を見る場所といえば、この十軒店の雛市だった。

今の日本橋室町3丁目あたり。

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↑上の方にお人形たくさん売ってます。

 

・段飾り

ひな人形は7段が正式だそう。

でも上流階級から庶民まで広がると略式で5段や3段ができていったとか。

お金かかるもんね…。

同じくつるし雛もこの略式の延長で生まれたといわれています。

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写真:松田山で出会ったつるし雛(神奈川)


・お雛様たちってなにしてるの?

結婚式です。

当時のみんなのあこがれ、天皇陛下皇后陛下の結婚式がもとになってるらしいです。

そのように幸せな結婚ができますように、と願いをこめて嫁入り道具となったようです。

なので、人形や調度品はすべて平安時代などの宮中を模したものになっているそうです。

 

・代々受け継ぐもの?

いいえ。ひな人形は持ち主の女の子の形代です。

厄除けでもある。そのため、女の子一人に対して、一セットなのです。本来はね。

今は経済面やスペースや…といろいろな問題があるでしょうから何とも言えませんが💦


せっかくなので調べてる途中に出てきたものも合わせてご紹介!

次回は雅叙園のレポートです(*´˘`*)

 

参考サイト・文献:

ひな祭り文化普及協会:http://hina-matsuri.jp/top.php

鯉のぼり・五月人形専門店 ぷりふあ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/komari/hinaningyou/hina-000-yurai.html

トキオ・ナレッジ『日本人のしきたりいろは図鑑』

江戸文化歴史検定協会『江戸の祭礼と歳事』

江戸文化歴史検定協会『江戸諸国萬案内』

市古夏生・鈴木健一校訂『新訂 江戸名所図会』